インソールの使用をおすすめする足の悩みと、自分で出来ること

インソールで足の悩みを解決したい方に、どんな悩みにどんな解決法があるのかを紹介します。自分で出来る対処法から、オーダーメイドインソール、靴の選び方など、自分の足に何が必要か、あなたの足のトラブル解決をサポートします。

子供の外反母趾について相談されました

f:id:kutusyokunin92:20171024191858j:plain10歳の男の子のお母さんから、子供が外反母趾なんだけど、どうしたらいいのかという相談がありました。 そのときにお話しした内容と、せっかくなので、中学生以上の子供の足についても追加して説明しています。

 

 

成長中の足で大切なこと

私が成長中の子供の足で大切にしているのは、足がきちんと機能しているかどうかです。 機能しているかどうかのチェックは、素人では判断できないと思いますので、専門の人に見てもらう必要があります。 インソールと靴の店ルッチェでも行っています。  

 

痛みも足の機能低下もない場合

すぐには何もしない

中学生以下で、外反母趾であっても足の機能低下も無く、痛みもないのなら、その時点では特に何もしません。(中学生以上の子供の場合は、下の方を読んでください) その場合、その子にとっての靴選びの注意点を確認し、靴選びには気を使っていただきます。 大切なのは、いつ機能が低下してしまうかもしれないので、定期的なチェックが必要だということです。

足のための習慣をもとう

足の機能の低下を家チェックするのはちょっと難しいでしょう。ですから、足に痛みがないかを聞くだけでいいです。そのかわり、一緒に出かけるときや、玄関で靴を履くとき、脱ぐときなどの思いついたとき、こまめに足に痛いところやいつもと違うところがないか聞いてあげましょう。 難しいことをする必要な無くて、ただいつも気にかけて、聞く習慣をつけてください。 子供にしても、急に言われても答えられないと思いますが、日常的に聞いてあげるようにすると、本人も考えるようになります。そうすると、普段と違うところがあれば教えてくれるようになります。そして、痛いだけではない変化も聞き出しやすくなるはずです。

 

 

足に痛みや機能低下がある場合

対処が必要

次に、痛いところや、機能低下がある場合は、対処が必要です。 その場合には、皆さんにインソールの製作をしていただいています。 他のこともするのですが、それらは人によって違います。 インソール製作は全員に共通してお願いしています。

機能低下した足にインソールが必要な理由

子供という早い時期に外反母趾という変形があって、さらに機能の低下があるわけですから、先ずは構造をサポートしてあげる必要があります。そのためのインソールです。 インソールを使うことで構造が適切に保たれると、足の機能も回復しやすいです。 特に子供ですと、それだけで改善する場合もあります。 インソール以外には、足の運動や、全身のバランスのための運動、ナカメ式足指バンドというちょっと変わったバランス調整法も必要に応じて使います。

 

中学生以上の外反母趾の場合

痛み、機能低下は無関係

今回は相談が10歳の男の子だったので、靴のサイズがどんどん大きくなる場合の話しをしましたが、中学生頃になると、靴のサイズは成長しなくなります。 靴サイズの成長が止まったら、痛みや機能低下がなくても、インソールによる構造のサポートは行った方が良いです。

中学生以上では無条件でサポートが有効な理由

縦の長さは伸びなくなり、靴のサイズは安定しますが、成長が終わってしまったわけではありません。骨や関節がしっかりとしてくるなどの面では成長が続きます。足自体が出来上がっていくこの時期に、アーチのある足の形を足に覚えさせるために、痛みや機能低下が確認できなくてもサポートを行った方が良いのです。 足の成長が完全に終わると、衰えがはじまります。その前に出来ることをしておくというわけです。

中学生まで待つ理由

なぜ靴のサイズが変わらなくなるまで待つかというと、靴のサイズが変わるとインソールも作り変えなくてはいけないからです。サイズが違うインソールを使うことは足に悪影響を与えかねません。 足に痛みも機能低下もないのに、靴のサイズが大きくなるのに合わせてインソールを作り続けることは、金銭的にも結構大変です。 ですから、靴のサイズが大きくなる、縦方向の成長が止まった後、足の骨格が完成するまでの5から8年を利用して、足の成長をサポートしようというわけです。 もちろん、作り変えは必要ですが、2年に1回くらいで良いでしょう。

 

まとめ

子供の外反母趾は、成長の過程でもあるので、痛みや機能低下が見られない場合には様子を見る。 痛みや機能低下が見られる場合には構造のサポートと機能の回復のための対処をする必要がある。 足の長さの成長が止まり、靴のサイズが変わらなくなったら、インソールを使って足の成長をサポートするほうが良い。

 

機能低下とは?(補足説明)

ここで言っている足の機能低下というのは、足の運動機能の低下のことで、足の動きが不十分な状態です。 からだの動きに合わせて、足も動きます。このときの足の動きが不十分な場合を機能低下と言っています。 どういう風にチェックするかというと、歩くことを含めて、立って活動している間に、足がどのように動いているかということを見るのです。 知識と経験が必要なので、ご自宅で確認するのは難しいです。 足と靴のご相談からインソールのオーダーまでルッチェで行っています今すぐ相談を予約する

秋になると足が痛くなったという方が増えます

 

9月中旬から10月になると、足が痛くなったという相談が増えます。

話しを聞くと、相談に来た方の多くに共通しているのが、夏の間はサンダルを履いていたということです。

 

サンダルは、足を押さえている部分が少ないため、普段の靴よりも足が自由で開放された状態になり、楽で快適だと感じます。

その反面、足を押さえる部分が少ないということは、不安定な状態であるともいえます。

不安定さを抑えるためには、筋肉ががんばって働かなくてはいけません。

 

筋肉はがんばらなくてはいけないのに、楽だと感じるのは不思議だと思いませんか?

そう感じてしまう足は、機能的に少し弱っている可能性があるのですが、ほとんどの人がそうであるため、たいていの人にとっては、楽だと感じることでしょう。

では、なぜ楽だと感じるのでしょうか。

 

サンダルとは対極にあるといっても良い、男性ものの、カチッとした新品の革靴を想像してみてください。

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新品でまだ底が固く、甲の革もしっかりとした、サイズぴったりのこの靴を履いたら、足は自由に動けそうにありません。

足を行きたい方へと動かすことが出来ないと、全身が窮屈感を覚えます。人によっては、想像しただけで窮屈感を覚えるのではないでしょうか。

 

一方で、履き古した靴だと、足に馴染んでとても楽だと言います。しかし、この場合の足に馴染んでというのは、「馴染んだ」状態を通り越して、「くたびれた」状態です。足のクセが完全に靴にうつっていて、足の行きたい方に行くように靴が変形しています。

 

このように、足が自由に動けるようになると、身体全体が開放されて楽に動けるように感じるのです。

 

さて、本題の秋になると足が痛くなる理由です。

足が自由に動けることで、一時的には楽になったように感じるのですが、一方で、足の自由度が下がっても、靴によって支えられることで、負担が軽減されていたところにも負担が掛かってしまいます。それによって負担の掛かりやすい場所に負担が掛かり続けてしまうところから、その部位を傷めてしまうことが一つ。

もう一つは、足が自由な状態で歩き続けることから、足が行きたいほうへ動くクセが強くなってしまいます。そのクセが残った状態で靴を履き、動きが制限されることで痛みが出てしまうケースが多いです。これによって、足以外の場所にも痛みが出てしまうことがあり、靴のせいで痛くなったのだということに気づかない人が多いです。

 

夏の間に足についたクセを、サンダルから来るに戻る前に抜いて、秋の靴に戻ったときに、足が痛くなるのを予防しましょう!

 

ルッチェにて、足の状態チェックとクセを抜くことが出来ます。

 

膝の前側で、スネの上のほうのでっぱりが痛いという60代男性の相談を受けました

60代の男性からの相談です。
登山が好きで、縦走の3日目か、4日目になると下りで膝が痛くなるというのが悩みです。

今までと同じように行動しているのに、痛みが出る。その痛みが、時間とともにだんだんと強くなってくると、心配になりますよね。

痛みが出る場所は膝の前側、スネの上の方で、したからスネの前側をさすり上げると、上のところで出っ張りにあたります。その部分の痛みです。f:id:kutusyokunin92:20170909134811j:plain

この部分は、オスグッド・シュラッター病として成長期に痛みを訴える場所です。
この方も、学生時代にうさぎ跳びを沢山したそうで、そのせいで学生時代、この部分に痛みが出たことがありました。
その場所が今になって痛くなったことも、何か体に変化が起こっているのだと感じ、でも何が起こっているのかわからないことから不安になり、相談にきた理由でした。

その他の情報
四国でお遍路をして、1,200キロ以上歩いても痛みが出なかった。
ずっと変わらずに週一回トレーニングを行っている。

受けた質問
中敷か靴で何とかなるのか?
それとも何か他の方法があるのか?
週一回トレーニングをしているが、それでは足りないのか?

先ず、痛みの理由は何でしょうか。この方の場合、年齢が上がることで、筋力が徐々に低下していることが痛みの元になっていると考えられます。

そう考える理由は、登山を急に始めたわけでは無いという事。トレーニングを以前と変わらず行っている事。縦走の最初から起こっている痛みではない事。数日に渡って1,200キロを歩き続けても痛みが出ないこと。です。

なぜ年齢が関係しているのかというと、60代とは言わなくても、年齢が上がれば上がるほど筋力は落ちていくこと。同じようにトレーニングをしていても、同じ筋力を維持し続けることは困難になるためです。

そして、登山の縦走中、3日目又は4日目ということは、筋肉に疲労が溜まってきてから痛みが出ています。それも下りのみで症状が出ていることからも、筋力の低下を疑うことが出来ます。

また、数日間長距離を歩き続けても痛みが出ない事から、登山という負荷が掛かっていなければ、痛みが出ないということになりますので、筋力との関係が深いと言えます。

では、どうしたら良いのでしょうか。
ご本人の言うとおり、トレーニングを増やすと良いのでしょうか。

今のところ、痛みは登山縦走中だけですので、以前と同じペースでの縦走は無理ということになります。
そのペースをなるべく落とさずに今後も続けていくための手段として、縦走中の負担を軽減するために、アイテムを使うことをお勧めしました。
例えば、ステッキを使うことや、インソールを用いて足の負担を軽減することが有効です。

では、トレーニングを増やした方がいいのでしょうか。
この場合、年齢からも、トレーニングを増やしたからといって問題を解決できるほど筋力を強くすることは、難しいでしょう。
もちろん、長い目で見たときに、筋力の向上、又は維持を目的として、適切な量のトレーニングを増やすことは有効かもしれません。しかし、結果が出るまで時間が掛かります。
先ずは道具によって負担を軽減することが有効です。

こうした説明によって、ここには書けていないその他のことにも、いろいろと納得のいくところがあり、理由が分かったことで不安が無くなったとの事です。
実際、持っていたステッキを積極的に使うようにすると、痛みの出方が断然らくになったと言っていました。
現在インソール製作を検討中です。
インソールによって、足の安定性が増すこと、足自体の負担が軽減されることで、脚と全身の負担が軽減されます。


ディスクリプション
60代になると、徐々に痛みが強くなっていることが不安になるということを、相談に来た方から言われます。「加齢のせい」と言われても、不安はなくなりません。年齢が高くなると、加齢で何かが起こるのは当たり前です。加齢で何が起こっているのかをしっかりと理解するだけでも、不安はやわらぎます。

なぜ子供に大きな靴を履かせてしまうのか。こどもの靴選び、合っていますか?

世の中には沢山の、子供の靴の選び方を書いた本やブログやパンフレットがあります。
それにもかかわらず、保護者はなぜ、子供に大きめの靴を履かせてしまうのでしょうか。

世にある情報が間違っているのでしょうか?

結論から言うと、巷の情報は完全に間違っているわけではありません。

しかし、ある大切な要素が抜けているのです。
そのせいで、子供の靴のサイズの変化についての説明が不十分になってしまうのです。
分かりやすく説明しますが、少し長くなるかもしれません。ですが、きちんと理解していただきたいので、お付き合いください。そうすると、少し安心して、子供の靴の成長を見守れるようになります。


まず、子供が足に合った靴を履いていないことについて、よく言われている原因は、
1、選び方の基準が分からない
2、どんどん成長してしまう
3、足が痛いというから大きい靴を履くことになる
4、子供の求めるデザイン
5、靴のサイズ展開
などがあります。

これらの理由によって靴選びに悩んでしまうお気持ちは良く分かります。
子供靴の選び方として紹介されている基準も、情報元によって様々あって、どれを信じたらよいのか分からなくなりますね。
でも、どの説明も間違ったことは言っていません。
ある大切な要素が考慮されていないため、説明が不十分なものになり、保護者の方は戸惑ってしまっているのだと感じます。

成長していく子供の足の、靴のサイズが合っているかどうか。これを考える上での重要な基準として、つま先の余裕がどの程度必要かということになるでしょう。
子供靴は5ミリでよい、とか、10ミリ以上必要だなど、このことだけでも諸説あり、知れば知るほど迷ってしまうという人も少なくないようです。
この諸説ある余裕寸法ですが、諸説あるどれも間違っていません。
大切なのは、どの時期かということです。
成長に合わせた、適切な余裕寸法というものがあります。
つまり、成長に合わせて適切な余裕寸法が変わります。

しかし、大切なことは、ここでいう成長とは、年齢や足のサイズで区切るものではありません。
では、何の成長によって変わるのか、それは、子供の歩き方の成長です。
歩き方の変化によって、必要になる余裕寸法が変わってきます。
これが世にある情報の中で、全く考慮されていない部分です。

子供の歩き方の変化とはどういうことなのか、説明します。
子供の歩き始めからしばらくは、浮かせた足を前に出して、足の裏全体で接地するようにペタペタ歩きます。
この時期は、余裕の寸法はあまり必要ありません。5ミリあれば十分です。3ミリから7ミリが目安です。つま先が足に当たってしまってはいけませんが、多すぎてもいけません。ただし、つま先の余裕が短い分、厚みが必要です。
少なくても良いのは、判断がちょっと難しいですね。
まだ靴を履くのに保護者の手伝いが必要な場合には、買い替えの目安として、履かせづらくなったらそろそろかな?と思って、意識して様子を見ましょう。
つま先がきついかどうかは、子供に聞いても分かりませんので、中敷をはずせる靴であれば、外して足を乗せてチェックしてください。子供は、つま先が靴に当たったら、指を曲げて履いてしまいますから、注意が必要です。


身体のバランスが安定してくると、身体の後ろに蹴り足が残るような、大人に近い歩き方をするようになります。そうなると、必要な余裕寸法は歩き方の成長に合わせてだんだん大きくなり、通常10ミリになります。最低でも5ミリです。5ミリを切ると、歩いている最中につま先が靴に触れる可能性が出てきます。

ここで、お気づきになった方もいらっしゃるかもしれませんが、今まで5ミリが適切だった余裕寸法が、徐々にとはいえ、「最低で5ミリ、10ミリ欲しい」へと変化していきます。つまり、この歩き方が変化していく時期は、足が大きくなっているという理由に加えて、歩き方が変化していることによっても、靴を大きくしなくてはいけないのです。

この歩き方の変化は、誰にも注目されていません。子供の靴のサイズについての様々な解説を見ましたが、一切触れられていません。

足の大きさに合わせて買い換えた靴が、歩き方の変化によってすぐに指先が当たってしまうようなり、また買い替えが必要になる。
歩き方の変化するこの時期の経験が、子供に必要以上に大きな靴を履かせる原因になっているのではないでしょうか。

この時期の目安は、3歳くらいです。それまで歩いた距離や、骨格なども影響しますし、徐々に変化していくので、一概に線引きはできません。変化に合わせて徐々に必要なつま先の余裕が多くなります。

この、足の成長と歩き方の変化が重なる時期は1度です。
保護者の方には、そのことを知った上で、割り切って、こまめな靴の買い替えが必要な、仕方の無い時期だという風に考えてください。
そうすれば、この時期が過ぎたその後は、必要以上に余裕を持たせた靴選びをしなくても済むようになるのではないでしょうか。

久しぶりにパンプスを履いたら足が痛くなったのは、足が弱ったから?という質問を戴きました。

先日相談の中で、パンプスを履いたら足が痛いのは足が弱ったから? という質問を戴きました。
久しぶりにパンプスを履いたら足が痛くなったという経験がある方は多いですね。

パンプスを履かなくなった理由として多いのは、「仕事が変わった」「退職した」「妊娠した」などです。そして、数年の間隔をあけて、またパンプスを履くようになったときに、以前はなかった足の痛みを感じるようになります。

以前はパンプスを履いていて、確かにここ数年はスニーカーばかり履いていたけれど、沢山歩いていたから足は弱っていないと思う。でも、痛いということは、「足が弱くなったのか?」又は、「足が変わってしまったのか?」というふうに、原因が分からずに不安になってしまうのです。

パンプスを履くようになった理由は、「仕事で履かなくてはいけなくなった」や、「また履きたくなった」などさまざまですが、この相談は1年通じてとても多いです。

全てではありませんが、足が弱くなったというのは、たいていの方に当てはまります。
では、実際に何が弱くなるのでしょうか。

弱くなるのは筋力なのです。でも、沢山歩いていたのだからそんなはずない思うことでしょう。しかし、人の筋力というのは、角度ごとに鍛えられます。

どういうこと?ですよね。

例えば、肘を、40度に曲げた状態でギブスで固定し、固定されたまま力いっぱい肘を曲げようとしても曲がりません。でも、力は入っているから、筋トレはされているわけです。等尺性収縮と言います。

そうすると、肘を40度曲げたところでの筋力が上がりますが、他の角度はそれほどでもないのです。

これを、今回の条件に置き換えてみます。

ヒールを履いて歩いていたときと、スニーカーで歩いていたとき。
「背伸びをした状態で身体を支えていた」ときと、「普通に歩いていたとき」
足を使っていた角度が違っていますね。

つまり、ヒールを履いていた頃は、少し背伸びをした状態のまま、歩いている最中の接地の衝撃を受け、立っているときはその背伸び姿勢をキープしていたのですが、スニーカーになると、接地の衝撃を受けるのは踵で、立っているときには特別な姿勢ではない。

結構な違いがあると思いませんか?
つまり、ヒールの高さによる角度での筋力が弱ってしまったと言えます。

そのヒールの高さによる背伸びの角度を長時間維持することが困難になってしまい、支えきれなくなった分の負担を色々なところに分散させることになり、その結果として痛い場所が出てきてしまうというわけです。

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最近なんだかランニング中に足が痛くなる。そう感じた人が確認するべきこと。

これまでと変わらずにランニングをしていたのに、なぜか急に足が痛くなったと感じると、頭の中は「なぜ?」でいっぱいになってしまいます。

治療に通うべき?インソールを試してみる?

何か行動を起こしたくなるのは分かりますが、とりあえず行動するのではなく、先ずはどんな行動を起こすべきなのか考えてみましょう。

そのために必要なのは、ここ1ヶ月の行動を振り返ることです。

何かこれまでと変えたことはありませんか?思い出してみてください。1ヶ月というと、自分では忘れてしまっていることって結構あります。

もちろん、オーバーユースなどによる障害の可能性を否定するわけではありません。ただ、どこかに相談するにしても、この作業をしておくことは、とても有効です。

ルッチェに相談にきたランナーの方々で、じっくりと話をしながら1ヶ月の間に変えたことをじっくりと思い返していくだけで、痛みの原因が分かってくることもしばしばあります。
中には、病院や整体に通っても改善しないので、インソールを作るしかないと思って来店される場合もあります。それなのに、結果的には「こんなことが原因だったなんて。。。」なんてことになるわけです。

まず、最も多いのが、「シューズを変えた」です。
中でも、前の靴と同じモデルが生産終了したので、同じシリーズの靴を購入しただけだから、別に問題ないと思ってしまっていることが多いです。
これ、大きな間違いです。同じシリーズでもぜんぜん違う靴ということは結構多くて、メーカーの店員さんから、「その型番の新しいモデルはこちらです」と言われて買った。という方って結構多いです。
心当たりのある方は、捨てていなかったら前の靴を履いてランニングをしてみるか、とにかく別の靴を履いてランニングをしてみてください。
それで改善したら、新しく買ったシューズが合っていないということです。

2番目に多いのは、「仕事で履く靴が変わった」です。
環境が変わって、パンプスを履く機会が増えた、スニーカーから革靴になった、安全靴を履く機会が出来た、長靴を履く機会が出来たなど、仕事の靴ではそれほど長距離を歩いたり、長時間立ったりしないので、そのときは痛みが出ないけれど、その影響でランニングの際に痛みが出ていることがあります。
その場合は、仕事の靴環境を改善する必要がありますので、仕事でその靴を履くことが避けられないのであれば、インソールなどを使用して負担の軽減をする必要があります。
また、1番目と2番目の混合で、仕事の靴を新しく変えたということもありえます。その場合も、先ずは昼間の仕事の靴を以前のものや、ほかのものに変えてみると良いでしょう。それによって改善されるのであれば、新しく買った仕事で履いている靴が合っていないということです。

もしも、新しい靴が合っていなかった場合、その靴の何が悪かったのかが分からなければ、次もまた同じ失敗をしてしまうかもしれません。
合わなかった理由については、ルッチェで相談を受けております。完全予約制で有料ではありますが、同じ失敗を続けて無駄な靴を買うよりも良いのではないでしょうか。

ほかにも、生活習慣のちょっとした変化が影響していることは良くあります。
プライベートなことで、ためしに以前の習慣に戻してみることが出来るのであれば、一つずつチェックしてみましょう。意外なことが原因だったりしますよ。

 

「膝を曲げると膝の外側が痛む人」は真っ先に「ここ」をチェック!!

膝を曲げると外側が痛い場合、よくある原因の一つに腸脛じん帯炎というものがあります。

立った状態で太ももの外側を触ると太もも全体を縦に走る、ベルトのようなスジを触れます。(筋肉のように柔らかくないので慎重に触れば分かると思います)これが腸脛じん帯で、このじん帯は、腰骨からスネの骨の一番上の外側までの長い距離を結んでいます。

股関節と膝関節を超えて、骨盤とスネの骨を結んでいるということです。

 

腸脛じん帯炎の治療として、安静、ストレッチ、鍼灸やマッサージ治療、ランニングフォームの改善など、さまざま言われていますが、これら全てをやるよりも先にチェックするべきことがあります。

場合によってはこれが改善への最短距離ともなりえます。

 

 

腸脛じん帯に負担の掛かりやすい体型として、挙げられるのがO脚です。

O脚では、Oの字の外周に当たる腸脛じん帯は伸ばされることになります。

伸ばされるとじん帯は緩みがなくなり、膝の曲げ伸ばしで膝の外側の骨に強くこすられて、痛みを起こします。膝を曲げると膝の外側が痛む人は、この腸脛靭帯が炎症を起こしていることが多くあります。

 

O脚の人は、靴の外側が磨り減りやすいです。

靴の外側が磨り減ると、足は外側に傾きやすくなり、ますますO脚を強めることにつながります。

ですから、ほかの治療を行うよりも先に腸脛じん帯炎と思われる人が行わなくてはいけないのは、靴の底のチェックです。

靴の底を見てください。外側が減っていませんか?

修理ができる靴であれば、すぐに踵の交換をしましょう。

修理ができない靴であれば、靴の上側(アッパー)がどんなにきれいでも、買い換えることをお勧めします。

靴底が斜めに減った靴の底を平らに直すだけで、膝の外側へのストレスは驚くほど軽減されます。

 

ランナーズニー(又はランナー膝)とも呼ばれるくらいランナーに起こりやすいとされる腸脛じん帯炎は、対処法としてフォームの改善が挙げられますが、斜めになった靴では、フォームを改善しようにもうまくいきません。

 

走り方によっては踵の外側の減りが早く、底が減ってしまっていても、アッパーがまだきれいに感じる人もいるかもしれません。

そんな場合でも、心を鬼にしてその靴はあきらめましょう。

新しいシューズの購入をお勧めします。もしも、こまめな買い替えを躊躇するような高いランニングシューズをはいている場合、交換しやすいような価格のものを選択してください。

高額で高機能なシューズを、斜めになっても履き続けるより、低価格のシューズでも平らな状態を保てるほうが、腸脛じん帯に痛みがある人には価値がありますよ。